チェックライド
2006.08.01

朝7時、いつもの時間に起床。先週の金曜日、 チェックライドの日だったのに緊張していなかったが、 今日はなぜかすごく緊張している。やはり、 先週の金曜日は心の中では、完全にあきらめていたようだ。

いつものように朝食を食べて、オーラルの過去問題を軽くチェックして、 8時半、送迎のバンに乗り込んで学校へ。滑走路は13を利用している。 朝はたまにある。多分、チェックライドの時には、いつも通り31になっているだろう。

9時、チェックライドのための準備をはじめる。METAR、 TAFをメモ。やはり11時からの風向きは300なので、 31を使うことになるだろう。9時半ごろに電話があり、 僕と同じ日にチェックライドを受ける人が、試験時間がはやまって、 僕よりもはやい10時半に始まることになったそうだ。こちらの試 験官はオーラルが短い上に、行く空港が同じなので、同じ時間にフ ライトが当たるかもしれないなとちょっと不安に思うも、ひとまずそ の時になってみなけりゃ分からない!と思いながら、準備をすすめる。

10時をすぎ、新しく更新されたMETARを参考に、T/O、L/Gの距離を計算しておく。

10時半に準備終了。オーラル試験の最終確認をする事は可能だが、 なかなかそんな気分にはなれないので、試験官が来るのを外で待つことにした。

11時、定刻に試験官が到着。部屋に入って、書類の確認と、オーラル 試験が始まった。質問は20問あったかないか。時間にして10分あっ たかないか。しかも、書類の確認とかをしながらやっていたので、試験 官は僕の答えをほとんど聞いていなかった。本当にこんなんでいいのか ?と思いながら、オーラル試験が終了。同じ日に、試験を受けていた人 は、僕よりも30分前にオーラルが始まったのに、僕の方が先にオーラルが終了した。

11時半頃、外に出て、すでにプリフライトを済ませた飛行機の前へ。ふと 上を見上げると、なんと13を使用している。UTCから13で帰ってくる のは初めて。やばいかもしれないと感じる。

なにはともあれ、11時45分頃、試験官が来てフライトへ。13はランナ ップエリアが小さいので、ランナップエリアがあくまで5分以上待った。そ の間にも、かなり緊張が増していく感じがした。

ランナップ終了。エンジンがラフな感じがするので、試験官がもう一度確認し てと言われて、もう一度確認をして、OKという事で、ソフトフィールドテイクオフ。

上昇していき、いつダイバージョンを言われるのかなと待っていると、UTCま で来てサウスへいけとの指示。飛行機の方向を、既に見えているサウスに向け、 距離を調べて、時間を計算(したふり)

普段は飛行機がいるのだが、様子をみると1機も飛行機がまわっていない。ラッ キーという感じで、上空で旋回しながら、どっちの滑走路を使うか、決める。風の 向きがはっきりしなかったので、RHVが13を使っているので14を使おうと思 い、セルフアナウンスをしながら、レフト45へ入っていく。ショートフィールドを 見せてといわれた。

ファイナルへ入る。風が無いので、ショートは難しいが、なんとかナンバーの上に下ろ す事ができた。

もう1周まわって、次はソフトを見せてといわれた。まだ他の機体はいない。本当につ いていると思いながら、ショートフィールドでテイクオフ。

再びファイナルに入ったところで、ゴーアラウンドの指示。ダウンウィンドで出ろとの 指示。そしてフードへ。

フードをかぶって、上昇、旋回をして、フードを外して、次はマニューバーへ。

まずはスローフライト。次に、パワーオフストール。ヘディングをかえて、左のステ ィープターン。右のスティープターン。それを見せた所で、RHVに帰ろうとのこと。

ATISを聞くと、なんとまだ13を使っている、最悪だ。ATCでどういう指示がく るのかも分からない。ぶっつけ本番。

タワーにコンタクト。13Lのダウンウィンドの3マイル手前で報告しろとの事で、 そのようにフライトしていた所、試験官が、13R、Lどっち?と聞いてきて、僕がL と答えると、タワーに確認してくれた。そうすると、なんとRだそうだ。僕が完全に聞 き間違えていた。これは、やばいのかな?と思いながら、13Rのダウンウィンドに入る ところで、タワーから着陸のクリアランスをもらう。13だと、チェックポイントが分か らないので、感覚でまわりながら、ベースへ。ソフトフィールドランディングをやれとの指示。

ファイナルに入り、ちょっと高度が高いのでアイドルにしたが、なんと高度が落ちない。 そうだ、無風だ!!と思い、どうしようと思いながら、フォワードスリップをして、少し でも高度を落とそうとしてみた。そして、ソフトフィールド。風が吹いていないので、難 しかった。機体がかなり浮いてしまって、ゴーアラウンドしようか迷ったが、下ろそうと決 めて下ろした。ところが、そこで試験官がパワーアイドルといってきた。どうやら、危ない と感じたのかもしれない。ひとまず、ソフトに降りて、Aまで行った。そこでタワーから、 Lの前でホールドしろとの指示。ファイナルに入っている機体がいるが、はるか遠く。かな り時間がかかるなと思いながら、外をみるとリスが立って、こちらを見ていた。じっとにら めっこしながら、タワーの指示をまつ。そして、指示をもらって、グランドからも指示をも らって、ナイスへタキシング。そしてエンジンカットオフ。僕がヘッドセットを外した瞬間


「おめでとう!」


の一言。感動!!!!!!!!!

1年間かかったが、この瞬間、涙が出そうなほど、嬉しかった。


2006年8月1日、僕の人生において、この日の感動を超える日が来るのだろうか?と思えるほどの幸せ。

僕はこの日を一生忘れない。

この時の機体が、トップの写真のN25932の事だったのです。


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